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【大分版】国際結婚のご夫婦が今から準備しておきたい相続対策|どちらが先に亡くなるかで変わる法律と3大必須アクション

「日本人と外国籍の夫婦の場合、万が一のときは日本の法律で相続できるの?」 「夫婦どちらかが亡くなったとき、残された配偶者が困らないように今からできる対策はある?」 「海外にある財産や本国の家族との関係はどう整理しておけばいい?」

国際結婚をされているご夫婦にとって、避けて通れないのが「将来の相続問題」です。大分県内でも、国際結婚をして日本で長く暮らしているご夫婦から、終活や相続に関するご相談が増えています。

国際結婚のご家庭で最も知っておくべきポイントは、「夫婦のどちらが先に亡くなるかによって、適用される法律(準拠法)や相続人の範囲が大きく変わる」という点です。 事前の準備を怠ると、いざという時に「配偶者の取り分が想定より大幅に少ない」「本国の親族全員から署名を集めなければ銀行口座が解約できない」といった深刻なトラブルに発展しかねません。

この記事では、ウェブサイト「おおいた遺言相続サポートセンター」を運営する「リーガルゲート行政書士事務所」が、国際結婚のご夫婦が直面する相続の法的リスクと、元気なうちに講じておくべき3つの生前対策について分かりやすく解説します。


1. 最大の落とし穴:「どちらが先に亡くなるか」でルールが変わる

日本では、「法の適用に関する通則法」第36条により、「相続は、亡くなった人(被相続人)の本国法(国籍のある国の法律)による」と定められています。 そのため、同じご夫婦であっても、どちらが先に亡くなるかによって適用されるルールが変わります。

亡くなった方 準拠法(適用される法律) 相続手続きの特徴
日本人の配偶者 日本の民法 相続人である外国籍の配偶者・子どもも、日本人と同様に日本の法定相続分(子どもがいる場合、配偶者は1/2など)で遺産を承継します。
外国籍の配偶者 配偶者の母国の法律(本国法) 原則として母国の相続法が適用されます。国によっては配偶者の取り分が日本より少なかったり、本国の親や兄弟姉妹の権利が強く認められていたりします。

※外国籍の方が亡くなった場合でも、母国の法律が「不動産はその所在地の法律に従う」「預貯金などの動産は亡くなった方が住んでいた国の法律に従う」などと定めている場合は、日本の法律が適用されるケース(反致:はんち)もあります(通則法41条)。

このように、「日本に住んで日本の財産を持っているからといって、自動的に日本のルールで分け合えるわけではない」という点が、国際結婚における最大の注意点です。


2. 国際結婚のご夫婦が今すぐやっておくべき「3つの相続対策」

将来、残された配偶者やお子様が手続きで途方に暮れないために、今から準備できる具体的な対策は以下の3つです。

対策①:夫婦それぞれが「公正証書遺言」を作成しておく(最重要)

国際結婚において最も有効な対策は、「夫婦それぞれが元気なうちに公正証書遺言を作成しておくこと」です。 なお、日本の法律では、夫婦が1通の書面に一緒に遺言をすることは禁止されています(民法975条)。遺言書は夫婦それぞれが別々に作成します。

遺言書がない場合、遺産を分けるために「相続人全員での遺産分割協議」が必要になります。しかし、海外にいる親族(親や兄弟)を特定して、現地の公証人などから署名の証明や書類を取り寄せるのは、時間的にも費用的にも大きな負担となります。

公正証書遺言で「配偶者に全財産(または自宅と預貯金)を相続させる」と定め、あわせて遺言執行者(配偶者や専門家)を指定しておけば、相続人全員での遺産分割協議を避け、預貯金の解約や不動産の名義変更をスムーズに進めやすくなります。

遺留分に注意 ただし、子どもや親には「遺留分(最低限保障された取り分)」があるため、遺言があっても配偶者がすべてを受け取れるとは限りません。 一方、兄弟姉妹には遺留分がありません。お子様のいないご夫婦の場合、遺言を作成しておくことで、残された配偶者に財産を確実に引き継ぎやすくなります。

外国籍の配偶者が遺言を作成する場合 外国籍の方の遺言の効力や遺留分(国によっては「強制相続分」)は、原則として本国法によって判断されます。そのため、日本で作成した遺言であっても、その内容のとおりに実現できない場合があります。遺言を作成する前に、本国法の内容を確認しておくことが大切です。

💡 ポイント 日本にある財産については、日本の公証役場で作成する公正証書遺言が最も安全です。外国籍の配偶者が遺言を作成する際は、公証人から本国法の内容を示す資料や日本語訳の提出を求められる場合があります。 また、韓国籍の方は、韓国の国際私法(第77条第2項)により、遺言で明示的に指定することで、相続に適用する法律を日本法(常居所地法)にすることができます。ただし、この指定は、亡くなるまで日本に常居所(生活の本拠)を持ち続けた場合にのみ効力があります。また、不動産の相続については、その不動産の所在地の法律を指定することもできます。国際結婚のご夫婦にとって有効な対策となる場合がありますので、専門家にご相談ください。

対策②:日本国内外の「財産目録」と口座情報を一覧化する

国際結婚のご家庭では、「日本国内の預貯金・不動産」だけでなく、「母国の銀行口座、現地の年金、親から相続した海外不動産」など、財産が複数の国にまたがっているケースが珍しくありません。 万が一の際、残された配偶者が「海外のどこに口座があるのか分からない」状態になると、現地の財産が手続きされないまま放置されてしまいます。

  • 金融機関名・支店名・口座番号(IBAN(国際銀行口座番号)など)
  • 不動産の所在地・権利関係
  • 本国の身元証明書の情報(パスポート番号や現地のIDカード番号)

これらを1冊のノートやファイルに「財産目録」として整理し、夫婦で共有しておきましょう。 なお、インターネットバンキングのパスワードなどを財産目録に直接書き込むと、紛失や盗難の際に危険です。パスワードは別に管理し、保管場所を夫婦で共有しておく方法がおすすめです。

また、海外にある財産については、日本の遺言だけでは手続きできない場合があるため、その国で別に遺言を作成することも検討が必要です。

対策③:母国の身分関係書類の確認(戸籍のない国への備え)

多くの国には日本のような「戸籍制度」がありません。そのため、相続の際には出生証明書、婚姻証明書、死亡証明書などを本国から取り寄せる必要があります。

  • 婚姻証明書の確認:日本の役所に婚姻届を出しただけでなく、外国籍の配偶者の母国側でも正式に婚姻登録が完了しているかを確認しておく。
  • 氏名(スペル)の不一致の確認:日本の在留カード・住民票の表記と、本国のパスポートや公的証明書で、氏名のスペルやミドルネームの記載に違いがないかを事前に確認しておく。

生前のうちに公的な証明書を取り寄せるルートや手順を確認しておくだけで、死後の手続きを大幅にスムーズにすることができます。


3. 相続税の注意点:外国籍の配偶者でも「税額軽減の特例」は使える?

税金面について、「外国籍の配偶者には日本の税制優遇が使えないのでは?」と誤解されている方がいらっしゃいますが、心配ありません。

法律上の婚姻関係がある配偶者であれば、国籍を問わず、日本の「配偶者の税額軽減」(配偶者が取得した財産が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、相続税がかからない特例)を適用できます。

ただし、この特例を使うには、次の点に注意が必要です。

  • 相続税の申告が必要です。特例によって税額がゼロになる場合でも、申告をしなければなりません。
  • 原則として、申告期限までに遺産分割(または遺言による取得)が確定していることが必要です。期限までに分割できなかった場合でも、申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付し、3年以内に分割すれば特例の対象になります。
  • **事実婚(内縁関係)**の場合は、国籍に関わらず特例の対象外となります。法的な婚姻手続きを完了させておくことが、税務上も重要です。

また、海外にある財産や、配偶者の母国の制度によっては、日本の相続税とは別に、その国の相続税などがかかる場合があります。具体的な税額の計算は税理士にご確認ください。


4. 国際相続対策を進めるための4ステップ

[ステップ1] 国籍・家族関係・財産の棚卸し 夫婦双方の国籍、推定相続人(子ども、双方の両親や兄弟など)、国内外の財産をリストアップします。

↓

[ステップ2] 準拠法(本国法)の確認とシミュレーション どちらが先に亡くなった場合に、どこの国の法律が適用され、どのような配分になるか(遺留分を含む)を専門家と確認します。

↓

[ステップ3] 遺言文案の作成と公証役場との打ち合わせ 残された配偶者の生活を守るための遺言文案を夫婦それぞれ作成し、大分県内の公証役場へ提出・調整します。

↓

[ステップ4] 公正証書遺言の作成・保管 公証役場(または出張先)にて、公証人・証人2名の立会いのもとで遺言書を完成させます。外国籍の配偶者が日本語を十分に理解できない場合は、通訳人の立会いも必要です。


大分での国際結婚の生前対策・公正証書遺言のご相談は「おおいた遺言相続サポートセンター」へ

「自分たちの場合、どちらの国の法律がどう関係してくるのか分からない」 「外国籍の夫(妻)にスムーズに財産を残すための遺言書を作りたい」 「日本語の書類作成や公証役場とのやり取りをすべて任せたい」

このようなお困りごとは、ぜひ「おおいた遺言相続サポートセンター」へご相談ください。 当センターの運営元である「リーガルゲート行政書士事務所」では、国際結婚のご夫婦を対象とした本国法の調査、国内外の財産整理、大分県内の公証役場と連携した公正証書遺言の作成まで、ワンストップでサポートしております。

英語での面談や、土日祝・夜間のご相談(事前予約制)、オンライン相談にも対応しております。まずはお気軽にお問い合わせください。

  • ウェブサイト名:おおいた遺言相続サポートセンター
  • 運営:リーガルゲート行政書士事務所
  • 事務局所在地:大分県大分市千代町1丁目1番5号2階
  • 電話番号:097-578-6702
  • サイトURL:https://souzoku-oita.com/

この記事は公開日・更新日時点の法令や制度にもとづいて作成しています。制度は改正されることがありますので、最新の情報は関係機関でご確認いただくか、当センターにお問い合わせください。外国の法律の内容は国や改正の時期によって異なりますので、個別の事案ごとに確認が必要です。登記の申請は司法書士、相続税の具体的な計算や申告は税理士の業務です。

この記事の執筆・監修 センター事務局長・行政書士 井上勉 (リーガルゲート行政書士事務所) おおいた遺言相続サポートセンターの参加専門家として、大分県内の国際相続・渉外法務や遺言・生前対策に関する情報を発信しています。


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